理由が伝わる解答を組み立てる
設問が求めることを絞る
特徴の記述、理由の説明、2つのワインの比較のどれを求められているかを見極めます。産地について知っていることをすべて並べるのではなく、問われた特徴に関係する要因を選びましょう。解答の詳しさは、受講先の練習問題の範囲や配点を手掛かりに調整します。
要因→仕組み→結果でつなぐ
具体的な要因が、どのようにワインの特徴へ影響するのかを順に書きます。例えば、ブドウを乾燥させると水分が失われ、糖分が濃縮します。その後の発酵の進め方と結び付けて、辛口で高アルコールになる場合と、糖分を多く残す場合の違いを説明できます。
同じ軸で比較し、断定を避ける
比較では、品種・原料の処理・発酵・完成した味わいを、両方のワインについて同じ順序で説明します。生産コストと小売価格は区別し、古木・急斜面・樽熟成だけで高品質が保証されるとは書かないことも大切です。
読んで記述を練習する3つのテーマ
テーマ別に学ぶ
Maison Mediaのすべての記事を、何を説明しているかで分けました。
テロワールと気候
- ワインの3大気候:海洋性・地中海性・大陸性を読み解く
ワインの話でよく使う海洋性・地中海性・大陸性の3つの気候を、気候学のケッペン=ガイガー区分の基準と、ボルドー、ナパ・ヴァレー、シャンパーニュの公式な説明から読み解きます。
- 南アフリカ・エルギン:風と雲と標高がつくる冷涼な産地
エルギンはケープタウンの東約70kmにあり、ブドウ畑は標高約250〜500mの斜面に広がる。生産者団体によれば、霧と低い雲が日差しを和らげて成熟を長引かせ、ブドウが酸を保つのを助けている。
- アンデスの雨陰:メンドーサが乾燥する理由と、標高がマルベックにもたらすもの
アンデス山脈が偏西風から太平洋の湿気を奪い、メンドーサは半乾燥でアンデスの水に頼る産地になりました。標高は紫外線を強め、その影響をマルベックの果皮で調べた圃場研究があります。
- ヴォージュ山脈の雨陰:アルザスはどれほど乾燥しているのか、その理由は
ヴォージュ山脈は西風の雨を西斜面で受け止め、東のアルザスのブドウ畑に雨陰をつくります。その乾燥の程度をメテオ・フランスの平年値で確かめ、足元の地溝が生んだ土壌のモザイクを読み解きます。
- 急斜面と粘板岩――モーゼルのリースリングを読み解く
モーゼルの急斜面と粘板岩、冷涼な気候、ドイツのワイン法がリースリングをどう形づくるのかを、測定された事実と、よく語られるが測られていない説とに分けて解説します。プレディカートと甘辛表示の違いも整理します。
- 左岸の砂利、右岸の粘土:ボルドーの土壌を読む
ポイヤックの砂利の丘、サン・テミリオンのヒトデ石灰岩、ポムロールの粘土と鉄分を含む下層土。ボルドーの土壌のちがいと、それが二つの主要品種とどう結びつくかを整理します。
- フンボルト海流とチリの海岸山脈:冷たい空気、カルメネール、青い香りの化学
冷たいフンボルト海流と海岸山脈がチリ沿岸の空気をどう冷やすのか。1994年に同定されたカルメネールの歩みと、房に当たる光が青ピーマンのような香り(メトキシピラジン)をいつ左右するのかを解説します。
- カリフォルニアの霧の回廊:ナパ・ヴァレーの谷底と山の斜面
夏の海霧と東西二つの山地は、ナパ・ヴァレーの気候をどう形づくるのか。谷底と山の斜面の違いを読み解く手がかりと、同じ品種・同じ収穫年の二本をグラスで比べる方法を示します。
- キャノピーマネジメント:葉と光がブドウのポリフェノールを変える
新梢の配置と除葉は、果房に届く光と熱を決める。それによって青ピーマン香のもとになるIBMP、果皮のフラボノール、色づきが変わる。効果を左右するのは作業の時期と、どちらの面の葉を取るかである。
- 霧・川・湖がつくるブドウ畑の気候
霧・川・湖は、ブドウ畑の気温と湿度をそれぞれ違う形で変える。気象機関や大学の資料で裏づけられる仕組みと、土地に伝わる説明を、冷気の流下や熱の貯蔵まで含めて分けて整理する。
- 海流と海沿いのブドウ畑:湧昇・霧・海風
寒流は湧昇・霧・海風で西岸の空気を冷やし、暖流は主に冬をやわらげる。チリ、カリフォルニア、南アフリカ、西オーストラリア、ポルトガル、北西ヨーロッパの六つのワイン海岸を、海の物理からたどる。
- 山脈と雨陰を比べる:カスケード山脈からアルプスまで
山は湿った空気を持ち上げ、風下側に乾いた土地を残します。カスケード山脈、シエラネバダ山脈、ヴォージュ山地、アンデス山脈、アルプスを、出典のある降水量と説明で比べます。
- 標高・斜面・向き:高さと方角がブドウ畑を形づくる
標高が上がると気温は100mごとに平均で約0.65℃下がります。斜面は冷気と霜の通り道を、向きは日照を左右します。どれも傾向にすぎず、最後は畑ごとの地形で決まります。
- ワインの気候をはかる:ウィンクラー、ヒューグリン、生育期平均気温
ウィンクラー、ヒューグリン、生育期平均気温は、同じ天気をそれぞれ一つの数に縮めます。何を数え、何を見落とすのか、産地の比較や生産者の判断にどう使われるのかを、出典つきの値で整理します。
産地
- Priorat――気候・土壌・品種から、味わいと価格を説明する
プリオラートの急斜面と粘板岩リコレリャ、法定の収量上限、そして主要品種ガルナッチャとカリニェナが、ブドウの熟度、ワインの骨格、1本あたりの生産コストをどう決めるのかを、原因と結果の順にたどります。
- 1855年ボルドー格付け:どうつくられ、何が変わったか
1855年のパリ万国博覧会に向けて、ボルドーの仲買人はメドック、オー・ブリオン、ソーテルヌのワインをどう格付けしたのか。5つの等級の意味と、現在の表の数字、その後に加えられた2つの変更を整理します。
- ブルゴーニュのクリマ:岩・斜面・600年余りの収穫記録
ブルゴーニュのクリマは、約50kmの斜面に並ぶ、名前を持つブドウ畑の区画です。斜面の岩石と標高・向き、そしてボーヌの六百年以上にわたる収穫日の記録に見える収穫の早まりを整理します。
- 北ローヌと南ローヌ:急斜面のシラー、石の大地の13品種
コート・ロティとシャトーヌフ・デュ・パプを、生産基準書のブドウの規定、ミストラル、黒胡椒の香りのもとになるロタンドンから比べます。規定が定めることと、よく語られる説明を分けて読み解きます。
- バローロのネッビオーロとトスカーナのサンジョヴェーゼ:丘・岩・規則
バローロの生産規則がネッビオーロをランゲの丘に結びつける仕組み、霧と泥灰岩、そしてサンジョヴェーゼを主体とするキアンティの規則がかつて白ブドウを義務づけていた経緯を読み解きます。
- 南オーストラリアの二つの顔:バロッサの古木シラーズとクナワラのテラロッサ
バロッサ・ヴァレーに1840年代の自根の樹が今も残る理由、クナワラのテラロッサの正体、そしてこの地の赤ワインに出るミントの香りの出どころを、順を追って整理します。
- ニュージーランドの二つの極:マールボロとセントラル・オタゴ
南島北部のマールボロと、はるか南の内陸にあるセントラル・オタゴ。同じ国のワイン産地でありながら、気候も岩盤も看板品種も大きく異なる二つを読み比べ、気候と土地がワインのスタイルにどうつながりうるかを考えます。
- 甲州と甲府盆地:扇状地・棚仕立て・GI山梨から読むテロワール
日本固有のブドウ甲州は、2010年に日本の品種として初めてOIVのリストに登録されました。甲府盆地の気候、扇状地の土壌、棚仕立ての理由、GI山梨と日本ワインの表示ルールを読み解きます。
醸造
- ジンファンデル――ひとつの黒ブドウが赤・甘口のピンク・辛口ロゼになる理由
同じ黒ブドウから、赤のジンファンデル、甘口のホワイト・ジンファンデル、辛口ロゼが生まれます。色とタンニンは果皮との接触で、甘さとアルコールは発酵をどこで終えるかで決まります。
- アマローネ・レチョート・リパッソ――製法から味わいの違いを説明する
ブドウを陰干しするか、発酵をどこで止めるか、搾りかすの上でもう一度発酵させるか。ヴァルポリチェッラの同じブドウがアマローネ、レチョート、リパッソに分かれる仕組みを、生産規則と研究に沿って説明します。
- ソーテルヌと貴腐:川霧、乾いた日中、厳格な規則が甘口ワインを生む仕組み
冷たいシロン川とガロンヌ川が生む秋の霧、日中の乾いた風、そしてボトリティス・シネレア。貴腐が生まれる条件と、手摘みの選果や糖度を定めたソーテルヌの規則を、出典に沿って順に解説します。
- シャンパーニュの瓶内二次発酵:酵母の自己消化(オートリシス)が泡と香りを形づくるしくみ
瓶内二次発酵を終えた酵母は、瓶の中で死に、自らの酵素でゆっくり分解されていきます。この自己消化(オートリシス)が、スパークリングワインの泡、口当たり、トーストやブリオッシュを思わせる香りにどう関わるのかを解説します。
- 泡は瓶の中か、タンクの中か:トラディショナル方式とシャルマ方式
スパークリングワインの泡は、販売される瓶の中か、密閉したタンクの中で生まれます。二つの製法の仕組み、酵母と過ごす時間が変えるもの、ラベルから読み取れることを整理します。
- ヘレスのシェリー:フロール、酸化、ソレラシステム
フロール酵母による生物学的熟成、空気に触れる酸化熟成、ソレラの段階的なブレンドが、フィノからオロロソまでの辛口シェリーの型をヘレス・ケレス・シェリーの規則のもとでどう形づくるかを、出典つきで整理する。
- ポートワインとドウロ:発酵を止める時期と、ルビーとトウニーの熟成の分かれ道
ポートワインは、発酵の途中でアルコール度数77%のブドウ蒸留酒を加えて造られます。この一手が甘さと度数をどう決めるのか、ルビーとトウニーの熟成がなぜ大きく異なるのかを、出典に沿って解説します。
- オーク樽:フレンチオークとアメリカンオーク、割るか挽くか、トーストで何が変わるか
フレンチオークの樽材は割り、アメリカンオークは挽く。その理由となるチロースの量、新樽がワインに与える酸素の実測値、トーストが木材に起こす変化を、出典に沿って整理します。
- 全房発酵か除梗か:果梗が赤ワインにもたらす変化
房ごと仕込むと無傷の果粒は内側から発酵し、果梗はカリウムやタンニンを加え、緑のままなら草のような香りのリスクも生じます。全房発酵と除梗の違いを、研究と業界機関の資料から整理します。
- マロラクティック発酵の選択:リンゴ酸から乳酸への変換の是非
マロラクティック発酵は、細菌がリンゴ酸を乳酸に変える発酵です。赤ワインの多くが完了させ、一部の白ワインが避ける理由を、酸・ジアセチル・安定性の三つの観点から整理します。
- 貴腐ワインの国別比較:ソーテルヌ、ロワール、アルザス、ドイツ、オーストリア、トカイ
貴腐でしぼんだブドウから甘口ワインを造る国は複数ありますが、最低基準はそれぞれ異なる単位で定められています。本稿はソーテルヌ、ロワール、アルザス、ドイツ、オーストリア、トカイの規定を、単位を変えずに並べて比べます。
- アイスワイン:ブドウ樹上の霜がつくるアイスヴァインとアイスワイン
アイスワインは、樹上で自然に凍ったブドウを−7 °C以下(オンタリオは−8 °C以下)で搾ります。水は氷のまま圧搾機に残り、甘く酸のある濃縮果汁だけが流れ出ます。
テイスティングとラベル
- ワインリストの一行からテイスティングの仮説へ:注ぐ前に骨格を推論する
ワインリストの一行に書かれた産地呼称・ヴィンテージ・生産者・アルコール度数から、抜栓前に酸味やアルコール、樽の気配を予測し、注いだ後にグラスで確かめる。演繹的テイスティングの手順を実例と演習で解説します。
- ワインラベルの4つの手がかり:産地、品種と収穫年、アルコール度数、瓶詰め者
ワインのラベルは法律で決められた表示の集まりです。産地名、品種と収穫年、アルコール度数、瓶詰め者の4つの手がかりが何を保証し、何を保証しないのかを、EU・米国・日本の規則から読み解きます。
- レビューを読む前に観察する――外観・香り・味わいを自分で記録する
点数やレビューを読む前に、見たもの・嗅いだもの・味わったものを書き留める。縁の色、グラスの脚、香り、口中の感覚から何が分かり、何が分からないのかを、出典に沿って整理します。
- ワインの欠陥と保存の科学:コルク臭(TCA)、還元臭、ブレット、SO2
コルク臭(TCA)、還元的な硫黄化合物、ブレタノマイセス、酢酸菌による劣化は、それぞれ何が原因で、どんな香りとして現れるのか。SO2がpHの低いワインほどよく効く理由も、研究機関が公表した数値とともに整理します。
公式教材と組み合わせて学ぶ
演習の3テーマはスティルワインです。下のテーマ別一覧には、スパークリングや酒精強化ワインを含むMaison Mediaの全記事を載せています。サービスやテイスティングの技法は別に学習が必要です。
このページの解答例は、自習用にMaison Mediaが独自に書いたものです。公式の模範解答ではなく、試験の結果を保証しません。


